2020.05.01
初めての戸建て購入 プロの物件選び4つのポイント
住まいを探している人は複数の物件を見て回っているでしょう。 ただ、特に初めて住まいを購入する人のなかには漠然と見学している人も多いのではないでしょうか。 せっかく時間をとって足を運ぶのですから、チェックすべきポイントを事前に押さえておけば、 住まい選びはスムーズに進みます。 ポイントを挙げればきりがないのですが、今回は我々不動産業者が戸建ての現地調査をするときに重視している4つのポイントを紹介します。
【ポイント1】古地図や土地条件図を準備
物件の住所を不動産業者に確認し、前日までに古地図や土地条件図、ハザードマップ、路線価図をチェックしましょう。
古地図は「比較地図」が便利です。インターネットで検索すれば閲覧できます。
明治から大正時代の地図と、現在の地図の両方を同時に閲覧できるので、
かつてどのように利用されていた土地なのかが一目瞭然です。同様に「今昔マップ」も参考になります。
土地条件図は国土地理院の「地理院地図」で検索すると閲覧でき、
その土地がどのような成り立ちなのか、自然災害リスクはどのようなものが考えられるかについて調べることができます。
【ポイント2】最寄り駅から物件まで歩く
車で案内してもらう人もいますが、気になる物件ならば自らの足で最寄り駅から歩いてみましょう。
平日と休日のそれぞれ朝・昼・夜と歩いてみるのが理想です。
通勤や通学の際に危険な箇所がないか、例えば交通量が多かったり、
夜間は明かりが少なく人気も少なそうな場所だったりした場合、
迂回路の有無などを確認します。「ひったくり注意」「ちかんに注意」といった看板がある場所は、
そういったリスクがあると認識しておくべきでしょう。
がけ地などが通勤・通学路にあるかどうかもチェック項目の一つです。
がけ地は土砂災害警戒区域に指定されている場合もありますので、
不動産業者に確認するか、自治体のホームページで確認するとよいでしょう。
併せて、周辺の施設を確認します。
例えば、最寄り駅にある商店や病院、公園、幼稚園、小中学校といった施設を見ます。
それだけでなく、個人商店などで買い物をしながら街の情報を「取材」しましょう。良い情報だけではなく、
悪い情報も含めてさまざまな情報を入手できることがあります。
【ポイント3】道路の幅や境界標など確認
物件に着いたら街並みや日当たり、風通しなどの確認は当然として、道路の状況は要チェックです。
帯同している不動産業者に、対象の敷地が建築基準法の道路かどうか、
そしてその道路に2メートル以上接しているかどうかを確認しましょう(いずれも満たさないと原則、建築できません)。
公道か私道かも重要で、私道の場合、道路の維持管理費用の負担を求められたり、
通行や給排水管設置のための掘削などに制限があったりするかもしれません。
道路幅員(道幅)が狭い場合、セットバック(一般には道路中心線から2メートル下がり、
その部分を道路として提供しなければならないルール)についても確認しましょう。
道路幅員が狭かったり、敷地までの間口が狭い「旗ざお型」の土地だったりした場合、
家を解体したり新築したりする際に大きな車や重機が敷地内に入れず、
工事費が思った以上にかかってしまうこともあるので、
不動産業者に確認しておくとよいと思います。
道路と敷地に高低差がある場合も通常以上に造成費用がかかることがあります。
また、古い擁壁だと新たに造り替えないと建物を新築できなかったりすることもあります。
敷地が道路より低い場合、排水にポンプを利用しなければならない場合もあります。
ポンプを新設する費用(中古住宅の場合はポンプの使用期間や交換費用)も確認しておきたいところです。
境界杭(くい)や境界鋲(びょう)、金属プレートなどの境界標が道路側にあるかどうかもチェックしましょう。
よくわからなければ不動産業者に確認します。併せて敷地内にも境界標があるかどうかを業者や売り主に確認します。
境界標は売買の対象となる土地の所有権の範囲を示す重要な印で、あいまいにしておくことはできないものなのです。
【ポイント4】建物を専門家に見てもらう
建物もいくつかのチェックポイントがあります。
建物を外から眺めてゆがみやひずみがないか、塗装が劣化してはがれていないか、
壁に大きなひび割れなどがないかをチェックします。
室内は見学中に細かいところまでチェックはできないことが多いと思いますが、
天井に雨シミなどがないかを確認しておくとよいでしょう。
ただ、建物の劣化状況のチェックについては、同行する不動産業者も専門家ではないことがほとんどですし、
売り主も劣化の状態にほとんど気付かないことも多いものです。
なにがしかの劣化を確認できたとしても、すぐに修繕すべきなのか、しばらく様子を見てもよいのか、
修繕費用はどの程度なのかといったことに答えられる業者は少ないのが実情です。
こうした問題にはホームインスペクター(住宅診断士)など、
建物の劣化診断や維持管理の専門家でないと的確な判断ができないことが多いものです。
気に入った物件に巡り合ったら、再度の見学と診断を売り主に依頼し、
ホームインスペクターに同行してもらうのも手だと思います。
ミライズエージェント株式会社 ピーズセントラル不動産販売稲毛店
企画販売部 井田政志